yaaa

したくて、したくて、たまらない、女。のyaaaのレビュー・感想・評価

4.0
田舎の温泉宿。
夜な夜な女も惚れ惚れする美女が露天風呂に浸かっている。
彼女はムフフでイヒヒな…

タイトル(素晴らしい!)通りの嘘偽りない映画であるが、ピンク映画というジャンルを軽く飛び越えてあらぬほうへと誘う映画。

「女優霊」といえばJホラーの原点として認識されているが、驚くことにこのベタなタイトル(素晴らしい!)の映画は「女優霊」の対となる作品であった。
製作時期や本編の尺の近さ、女優という偽りの人間を演じる光と影の部分、雲泥の差はあるが低予算内の限られた表現。
向こうが「恐怖映画」であるならば、こちらは「幻想映画」。

映画後半、東京から温泉宿に取材にやってくる男。
最近はなんか生真面目な映画を撮るが、以前は「恐怖映画」ばっかり撮ってたあの男・Kが配役されてるではないか!
のほほんムードだった前半が消し飛び、その瞬間ギューーーッと核心に迫り、夢か現か幻かの異世界へと誘い出す。
その「知らない世界」へと引きずり込む感の凄さ!

「女優霊」は一生懸命頑張って恐怖を創りだす感じがあるが、本作は監督が言うように予算・製作日数が無いなら無いように出来る範囲で温泉にでも浸かって楽しく仕事しようじゃないかのゆるゆるムードで創り出される余裕さもすごい。

安いのに効果抜群。
最小の労力で、それ以上の見せ方。
そうそう、ドン・シーゲルみたいな映画だ。
yaaa

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