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ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲のはのレビュー・感想・評価

3.0
逆襲のワンワン大行進。
最愛の飼い主と引き離され、残虐性を植え付けられたワンコが身勝手な人類に反旗を翻す。
犬の話って大群になるの多すぎない?

観たかったやつ。

「犬の演技がすごい」という感想って、ほとんどの犬の映画について回る感想だと思う。
しかしそのほとんどすべてが、「賢い! お利口! かわいい!」という演技のすごさ。
この映画では、「お利口でかわいい」以外の部分の演技がこれでもかと詰め込まれ、他で見た事がなかったこともあって素直に感心した。
どう撮ったんだろうと驚くこともしばしば。

テーマとしては腐るほどある感じだけど、切り取り方は独特で面白い。
単に犬好きな人が観て、残虐描写にショックを受けるシチュとか想像したらわらけてくるし。
犬の映画でありながら、良くある犬の映画テイストを感じなかったのは自分的には印象が良い。

正直この作品内で一番悪いのって、別れた夫の住宅事情に一切考慮しなかった母だと思うんですけどね。
早々にストーリーから抜けてしまうことでその後の全てに関わることもなく。
やはり護身の究極って「その場に居ないこと」だわとしみじみ。

人間の都合で処分される犬可哀想、って視点だとどうしても、人間が悪い、逆襲されても仕方ないみたいになりがち。
でも種として人間と共生を選んだのは犬だし、あんまそんな自虐的にならなくてもいい気はしますね。
個々の問題として、虐待したり捨てたりする〇〇さんは最低、とか扱うならわかりますが、全体として人間は身勝手で悪い、とかいうのは違うんじゃないかな。
例えば自分は犬飼ったら大事にしかしないし。
飼う時も保護犬をお迎えしようと考えてるし、家族はそうして引き取った犬を大事に飼ってるし。
なのに人間だから悪いに決まってると逆襲されたらとっても困っちゃう。
もっと言うとそういう人に飼われてる犬も困っちゃうよ。

そう考えるとマンションのあのおばさんも、純血種の犬を可愛がって飼ってたりしたら面白かった気がする…

小刻みに震えるカメラワークは正直鬱陶しいノイズに感じた。
これ全カットでやる必要あった?

ラストのハーゲンの右後ろの犬の足の開き方がかわいい。
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