役者さんの演技は良いと思います。
しかし内容は微妙です。
というのもこの映画は、南京事件の全貌が未だに把握されていないにもかかわらず、「これは史実です」としているからです。
中国によって南京事件関連の資料は完全完璧に封印されている状況です。
中国人ですら南京事件の調査をするのは基本的に難しいのです。
過去には中国でこの事件を調べようとした方々はそれなりにいらっしゃいました。
しかし中国当局の監視が厳しくなり、研究者が拘束されるような状況になったため、現在は研究があまり進んでいないそうです。
随分前に中国人の研究者のお一人が、「南京だけでなく、当時他の地域でも似たような混乱があったという資料を少しだけ見たことがあるが、やはり事実は分からない」
「南京以外の地域においては、日本軍の関与はなかったため、中国側は南京のみ日本軍の関与があったとしている」
とおっしゃっておりました。
南京事件の死者数のケタが曖昧なのは、こういった中国の状況や、中国側が当時の自国の状況を把握出来ていなかったことが影響していると思われます。
色々書きましたが、とにかくこの映画を史実とするのは危険であることを述べておきます。