このレビューはネタバレを含みます
WOWOWで録画していたものを鑑賞。
この作品は監督が「ぐるりのこと」のあとに詐欺の被害にあい、どん底になった時にお弁当を持ってもう一度映画をやろうと誘ってくれた方がいたという体験から生まれたんだそう。
「ぐるりのこと」の監督ということで前作同様の重たいけどほんわかしてるのかも思いきや、ずっっと重たい重たい重たい。
けれど離脱せず最後まで見ると印象がガラッと変わる作品。エンドロールにいく流れと曲と進んでいくっていう映像がとてもよかった。
重たさを流してくれる。
俳優陣は名前がスっと出るのは光石研さんのみでしたし、主演3人は知らないに等しく、脇役の方々もドラマなどで見かけている顔ぶれでしたし、邦画のこういう作風にしては演技面は見てられた。
登場人物同士が絶妙なところで接点があるのは現実味がとてもあり、人の事なんて知っているようで知らないこともあるし自分次第で変わっていくんだよな。と思った。
三者三様ダメなところがありつつ生きていくしかなくてしんどい、、ってなりすぎて観ていて辛くなるけれど最後のみんなの救い方はよかった。
「腹いっぱい食べて笑ってたら人間なんとかなるからさ」いい台詞。案外それが難しいし忘れがちで失ったら荒むのだ。
傲慢でモラハラで救いがない弁護士がみていて1番辛かったな。もう自分では抜け出せない沼にハマっている感じが。
姑と旦那と暮らしていた主婦が結局のうのうと戻るところがある感じがとってもリアル。
皇族のくだりは思わず笑ってしまった。
「ぐるりのこと」の時もこういう小ネタがあった気がする。この監督のこういうところ好きです。