このレビューはネタバレを含みます
ふつうなら主役にならないような人々の物語。リアルな風景、リアルな会話が流れてくるが、入ってくるセリフと入ってこないセリフが自然とあって、それが心地いい。雅子さま好きのおばさんが個人的にいちばんおもしろい。
いま見ると、「オリンピックなんてどーでもいいっすよ」という言葉が残る。理不尽に家族を失い絶望の中で生きる男。日本の安全神話のような高速道路、新幹線高架の橋梁点検の仕事をしながら、コンクリート中身はボロボロだと言う。橋の下の下から覗ける青空のラスト。現代日本も表す物語。監督の思想は知りませんが。