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ザ・キャピタル マネーにとりつかれた男のesのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「現代のロビンフッドは貧乏人から巻き上げ金持ちへ施す」
アメリカで弱者の味方を謳っていたロビンフッド社の株取引が問題になっている今観ると違う意味で面白い。この会社もリーマンショック後の世界的金融危機の中で生まれた企業。この作品が撮られていた頃に会社設立の構想が練られていたのだと思うと、なんとも皮肉な現実。

アメリカ映画では良心の呵責だったり善悪で語られがちだった(少なくともこの作品が制作された当時は)金融の世界を、淡々と物事を天秤にかけて取捨選択していく主人公の目で見つめるのがいかにもフランス映画らしい。良心の呵責や葛藤など立派な大人としての感覚を持つ人間がそもそも頭角を現せる世界ではないとでも言っているかのような終始一貫した姿勢。第四の壁を破って語りかけてくる演出は、人生をゲームのようにプレーしている主人公とあの世界のお子様達の強調かもしれない。
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