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恋狂いのmasatのネタバレレビュー・内容・結末

恋狂い(1971年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

どこで間違ってしまったのだろうか?
もうかつてには戻れない人間の刹那。

長い航海から戻った男。最愛の妻はいない。彼女はどこへ消えたのか?
その彼女の足取りを、追体験するかの様に追う男。その道は、男にとってまるで地獄めぐりの様だ。
そして男は海を越える。男の肉体をめぐるおぞましい体験をした末に最愛の夫が待つと信じるシンガポールへと旅立った最愛の妻の元へ。
おそらく男がそこで目にするのは、この世のものではない妻の姿なのだろう。

冒頭の男がアパートに帰るシーンがいい。
ついさっきまで妻はいた、その残像。
そして、タッチの差で歯車が大きく狂う恐怖。
男が追うと妻はその先へ・・・次々と性地獄のあらゆる手管をクリアして、ステージを上げていく、そんな快楽と苦痛に揉みしだかれる女の性がおぞましい。身体は覚え、身体の芯は次なるステージ昇天を渇望するのだ。
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