くりふ

Gundayのくりふのレビュー・感想・評価

Gunday(2014年製作の映画)
4.0
【クール(coal)ボーイズ】

キネカ大森“インディアン・シネマ・ウィーク・ジャパン2018リターンズ”上映にて。

映画祭上映時、プリヤンカー・チョープラー目当てで行きたかったが果たせず、リターンズしてくれて助かりました。

歌姫プリちゃんのうっふんステージ、艶姿だけが見たくて他は二の次だったが、久しブリ、単純に面白い!と言えるボリウッド映画に出会えました。プリちゃんに感謝です。

苦笑やズッコケ箇所あるものの、痒いところに手が届いた脚本演出に感心する。…本来、これくらいデキて当り前だと思うけどね。

熱さと緩急、ずっと保って終わる映画、やはりインド製が一番多いのでは。

あっちう間に難民ボーイズにシンクロさせる導入部がお見事。このまま成長しないで少年期の物語でいいよと思ったくらい。

で、大人の女プリちゃんが、アレとかコレとか少年たちに手解きをする話の方が…って、ボリウッドじゃムリか。

途中で難民問題はどうでもよくなっちゃうけどね。そもそも、その国に生まれて苦労するのは、本人にそうなる原因があるわけで、そこを解き解さず同情誘ったり、環境が悪いと言い出す向きには共感できない。本作にも、そんな素振りを感じるところは冷めました。

主人公の二人は、師を持てぬまま長い時が過ぎた少年たちですね。ただ欲望に振り回されるところが、よくも悪くも現代的で面白かった。

ランジェリックな衣装押しのプリちゃんは、とにかく眺めて飽きない。はじめのステージは『シカゴ』のパロみたいだが、彼女の顔だと甘過ぎて今一盛り上がらんなあとか、役柄がお人形さんぽいなあとか不満はありました。

あの“仕掛け”だと後で納得はするけれど、生身の自立した女として描いてほしかった。役で損した気がします。

イギリスに敷かれた鉄道の上で、インド人たちが右往左往する前半が、やっぱり面白かったね。『北国の帝王』現代版、と思わせる展開も楽しかった。

<2018.12.25記>
くりふ

くりふ