設定が面白そうだったので、どんなものかと鑑賞。毎晩姿が替わる主人公ということで、ラブコメ的な展開なのかなと予想していたが、いやまさかこんなに綺麗な話だったとは。久しぶりにこんなに心が穏やかになる映画を見た。
非現実的な設定を、あたかも世界のどこかで実際に起きているかの様にリアリティに描く脚本は流石韓国クオリティ。ファンタジーだからといって、全く手を抜いていない。
生活のルーティンで姿が変わっていく描写は単純に飽きないし、その特性が故に見出した家具職人という職業を活かした展開も面白い。
愛に触れることで苦悩から解放された男と、そんな男を愛してしまったことで苦悩と向き合うことになる女の対比も良い。幸せな構図の中にも寂しさや不穏さを漂わすことのできる演出や、ハン・ヒョジュの演技力はただただ素晴らしい。
あえて言うならイスがウジンに惹かれる何かをハッキリさせて欲しかったかなぁ。性格や癖の様な外見が変わってもウジンにしかないものがあればもっとよかった。