きん

ビューティー・インサイドのきんのレビュー・感想・評価

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)
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パクソジュンが演じた数日間のウジンは同じ姿でいたいがために何日間も徹夜するほどイスに夢中でとても可愛かった。
木の温もりが感じられるウジンの作業場やイスの職場先の素敵な雰囲気の中で、家具を通してニ人の距離がどんどん縮まっていく描写がよかった。
一日で恋人の外観が変わってしまっても、変わらずに笑って受け入れるイスの懐の大きさや愛の深さに感心して観ていた。
街中で自分から彼を見つけられないことから始まり、イスの様々な不安や苦痛がどんどん大きくなっていき、後からそれを知ったウジンも苦しむ。すれ違っていくニ人を見るのが心苦しかった。

老若男女で多国籍な外見に毎日変わる。あり得ない設定にしろ、2人で苦悩を乗り越えてこそ愛はより深まっていくことが示されており、己についても様々なことを考えさせられた。
他人は私を顔で認識しているけれど、もし外見が変わったら他人は自分だと気付くだろうか。毎日揺れ動く心と共に生きている私達は自分が自分である証を示せるだろうかと。
ちょっとあり得ない設定で、登場人物が魅力的で、切り取られた日常に温もりがあって、美しい異国の景色も交えていて、ゆったりとした時間が流れて、でも強く訴えかけるものがある、そしてハッピーエンド。そんな物語が好きなんだと再認識した映画。
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