たく

はじまりへの旅のたくのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
3.8
世俗を離れ、森でサバイバル生活を送るビル一家のロードムービー。自分の教育方針に固執するビルが子ども達との関係を見直す展開にジーンと来るんだけど、賛否両論ありそうな結末だった。

長男がビルからの大人認定をありがたく受ける冒頭に、子どもたちが皆なビルの方針に従ってることが示されるんだけど、次男が楽器演奏のシーンで突然全く違うビートを叩き始めるところに彼の反抗の兆しがさりげなく表現されてたのが上手かった。

ビルとしては学校に通わなくてもちゃんと勉強させてて世間のガキ達より断然博学だし、サバイバル技術も教えてて何が問題かってことなんだけど、奥さんの葬儀をきっかけとして自分の間違いに気付いて行くのがジーンとくる。
社会常識の象徴としてビルの前に立ちはだかる怖〜い義祖父が子ども達を真っ当な生活に導くのかと思いきや、現実離れした終盤の展開に「キャプテン・ファンタスティ〜ック!」と原題を叫びそうになった。

世俗を嫌って森へ入る設定には「イントゥ・ザ・ワイルド」を連想したね。
ヴィゴ・モーテンセンの、義祖父からヒッピーと揶揄される髭ヅラと綺麗に剃った後の顔が両方見られるおトク感と、長男役のジョージ・マッケイの「1917」の伝令では見られない削ぎ落とした肉体美が印象的。
たく

たく