南森まち

はじまりへの旅の南森まちのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
3.9
現代社会に触れることなくアメリカの森深くに住んでいた父と6人の子ども達。しかしある日、遠くの病院に入院していた母が亡くなったため、一家は葬儀のために旅に出る・・・というお話。

序盤は「世間知らずの主人公に周囲の人びとが驚くコメディ」だが、目的地が近づくにつれて様々な問題が明らかになる。
アメリカ北部のきれいな自然を背景。すっとんきょうな子供たちの行動。後半はヒューマンドラマになり感動的に終わる。

・・・のだが。テーマを思想、多様性、社会、教育、恋愛、育児、親離れと広げた結果、どのテーマも消化不良になっている。子どもの人数分のテーマがあったと思われるが、明らかにストーリーにあまり絡んでないキャラがいる。編集の結果かな。

オチも私が期待したものとは違った。
こういう終わり方もあるんだろうけど。一家の様々な問題を先送りにしたように見える。テーマに取り上げた話が解決していないので、何も成長していないように見える。

ストーリーも面白いんですが、キャラが現実離れしすぎていて共感しづらい。日本ではここまで偏った人はあまり見られないから、このあたりは観る方の問題かもしれないですね。

色々書きましたが、「この後どうなるんだろう」という期待を絶やさない非常に面白い映画でした!