ゆっけ

はじまりへの旅のゆっけのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.5
試写にて。

6人の子供たちと父親の「変わった」生活のお話。
いやー、面白いです。家族の愛の映画としてもちろん楽しめますし、
教育とは何か?ということや生きるにあたっての教訓のようなことも考えさせられます。

お父さん(ヴィゴ・モーテンセン)は、人里離れた森の中家族で暮らし、反資本主義を掲げ、子供たちに学校には行かせずに訓練や独自の教育をさせます。その結果、子供たちはたくましく育ち、体力はアスリート並み、6ヶ国語を操り、名だたる名門大学には合格できる力を持つのですが、、、

当然お父さんは、自分の信条や生き方、子供の育て方に絶対の自信を持ちます。ただし、大切な妻を失うことによって、その信条がどんどん崩れていくのです。

自分自身の理想や信条を信じられなくなったとき、人はどう立ち上がるのか?そのあたりの解決策がとっても好きです!!

同じような家族映画で、立ち上がる系の映画でバスが印象的な映画として、『リトル・ミス・サンシャイン』が思い浮かべられますが、こちらの映画が好きな人は必見です!

簡単に教育方針について説明すると、以下のようなものです。かなり合理的な考え方です。

■子供に嘘をつかない
→子供ができる方法についてもしっかり科学的に教えます。小さい時からドラッグの危険性についてもちゃんと教えます。母の本当の死因についても伝えます。

■年齢なんて関係ない
→お酒も与えます。ワインは消化に良いという理由で

■他の家族の教育方法には関与しない

■完全に合理的に考える
→サンタを祝するクリスマスよりも実在する偉人のノーム・チョムスキーを祝する!

■肥満は病気
→崖を登る訓練を。危険な目にあっても、極力手助けはしない。

■勉強はただ”覚える”のではなく、その意味やそれに対する自分の考えを持つようにする(権利章典の話より)

以上のことを見ると極端だけど、良い教育なのかも?と思うかもしれませんが、教育に”絶対”はないですよね。母の死をきっかけにある子は自分自身の生き方や父親に対して反感を持つように。

ひとりで何者かに戦う父親に対して、それを救おうとする子供たちの想いが感動的です。

自分の信条が間違えていたと知った時、希望がないと思ったとき、立ち上がるきっかけを与えてくれるもの。

「希望はないと思うと確実になくなる」
「人間は言葉より行動で決まる」
「自由への衝動と物事を、変えるチャンスを感じたら世界を、よくできるかもしれない」

家族が一丸となって向かった「任務」とは?
母への想いが詰まった傑作です!



あ、今作の登場人物は誰もが個性的ですし、また「兄」の描き方も良いですよ!(『リトル・ミス・サンシャイン』のアニキも良かったですよね)

こちらのアニキは女性に対して耐性を持ってなく、うぶ全開なのですが、気持ちがまっすぐで素敵なんですよ(告白のシーンは印象深いです)。
学校に行ってないので、自分が社会性がなく(本で学んだこと以外は何も知らない)、周りと違うことをしている変人だということも認識しています。だからこそ、その葛藤と戦います。

そして、そのアニキが結果的にどう成長していくかにも注目してください。