若大将オーウェン

はじまりへの旅の若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
4.0
ヒッピーやナチュラリストを突き詰めすぎてもはやアナキストの森に住んでる家族が織りなすロードムービー。
非常に興味深かったです…とか書いたらベンに怒られますね。
冒頭からなんだこの明らかにおかしいのだけれど、崇高さを漂わせているこいつらは!笑と、キャラクターの面でまずめちゃくちゃ面白かったです。
そんな事はいいから考察を述べろだって?
僕が気づいたのは、お母さん含めて女の子たちはロセッティやミレイのラファエル前派の絵に出てきそうな姿で描かれていたと思います。
植物の装飾や秘密結社性も似てます。
まぁそれは良いとしてヴィゴ・モーテンセン演じるお父さんがクレイジーなんだけど、ちゃんと悲しみや愛情を感じさせる立ち振る舞いでアカデミー賞ノミネートも納得の存在感。
子供達もみんな顔だけで聡明だと分かるし、現代社会に対する批評性もありながら、どちらが良い悪いという描き方ではなく、社会性から個人を尊重することの大切さまで描いたこの映画の振り幅に強度や豊かさを感じました。
見終わった後、色々と語りたくなる映画です。