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はじまりへの旅のrage30のレビュー・感想・評価

はじまりへの旅(2016年製作の映画)
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一言で言うなら、アメリカ版『北の国から』という感じ。

社会から断絶した森の中で生きてきた家族が、現代社会の中に入る事で巻き起こる様々な衝突が面白かった。
カルチャーギャップで笑える部分もあれば、現代社会に問題提起する部分もある。
例えば、子供に対してタブーを設けず、性や死についてもオープンに話す場面などは、子供の教育に対するスタンスを改めて考える切っ掛けになるだろう。

不満点を挙げるなら、終盤で子供達が下す決断に、もう少し葛藤を持たせても良かったかなと。
子供達に自分で思考する事の大切さを説いていただけに、この部分はもっと丁寧に描いて欲しかった。

主人公一家を過度に美化して描く事なく、批判的な視点も入っているし、結末の落としどころも含めてバランスが取れている。
決して彼らの生き方が正しいわけではないし、むしろ極端な存在だからこそ、社会との狭間の中で浮かび上がってくる何かをキャッチしたい作品。
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