はじめ私は「ロッキー・ザ・ファイナル」で幕を下ろしたロッキーシリーズに続編を作られることには否定的でした。
しっかりとそれは間違いだったことを思い知らされました。
アポロ・クリードの隠し子であるアドニス。
彼は出自を隠して、自分個人の存在の為にボクシングに打ち込む姿に好感が持てましたし、その出自との向き合い方も往年のファンの納得がいくものでした。
健気にがむしゃらに頑張る姿に突き動かされたのは、我らがロッキー。
過去の人となった彼にもう一度勢いを与えたのはアドニスでしたね。そのロッキーの後ろにはシリーズでの出来事が見え隠れし、間違いなく今作はロッキーシリーズの正当なる続編であると確信しました。
アドニスは師としてのロッキーに出会い、恋人のビアンカと出会う。そして、父の影を残したジムのスタッフの協力も得る。たくさん重なった人間模様と、熱くまっすぐなドラマ。
彼がアドニス"クリード "として挑んだ、まるで本物の試合のようなボクシングシーン。聞き馴染んだテーマが一度だけでも流れた時には鳥肌が止まりませんでした。
先にロッキーシリーズの続編だと言いましたが、
見終わった後は同時にクリードシリーズの誕生を感じました。
今や「ブラックパンサー」(2018年公開)で多くの賞を獲ったライアン・クーグラー監督。この作風が好きです。
