ぎゃ

エイリアン:コヴェナントのぎゃのレビュー・感想・評価

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)
2.6
アマゾンプライムで字幕で観た。

うーん…おもしろかったが、それはパニックホラー映画としてであって、超未来SFとしてはかなりイマイチ。点数は「もとめているものではなかった」という評価。

映像のクオリティや演出はかなりおもしろかった。序盤から終盤まで目を離せない状況が続いて、そのどのシーンも緊迫感と文字通り迫真の演技から伝わってくる絶望感で、正直「うわぁやめて」思わず目をそらしたくなりつつ、画面を凝視してた。

が。
別に『スクリーム』や『13日の金曜日』が観たいわけじゃなくて、「種の起源」とやらを掲げたSFのエイリアンを観たいと思って観ている。
前作のプロメテウスでもそうだったのだが、今回も宇宙船の乗組員が概ね感情を中心に行動するので、人類入植、つまりテラフォーミングという一大プロジェクトの先陣を切っているチームだと到底思えない。

ことの発端は謎の電波を受信したことで、その発信元を特定するとなんと目的地よりも地球環境に近そうな惑星であることが判明する。それに浮かれたチームは目的地を変更し、同惑星への潜入を決行するのだが・・・・・・

冒頭ですでに「いやいやいやいや」となってしまった。何千回というシミュレーションを繰り返して入植地を決定してそこを目指していたハズなのに、現場の独断であっさりとミッションを変更し過ぎている。
地球までの通信に1年以上が掛かるようなので相談が難しいことはわかる。しかし、仮にそうするのであれば、無人の探査機を飛ばしたり、宇宙船内からでもあらゆる分析を行ったうえで慎重に決断するべきではないか。
事故があったとは言え、「カプセルに戻りたくない」という一時の感情や「適性惑星を発見した」という功名心に駆られ過ぎている。

いざ上陸したあとも宇宙服どころかマスクなしで外にでてしまう。仮に大気組成に問題がなかったとしても、未知のウィルスやその時点の人類の科学技術では検出出来ない成分があるなど考えられる危険はいくらでもあるのに、あまりにも無防備過ぎるし、上陸船に一人だけ残すのもおかしくないか。

あとチーム内にカップルや夫婦が多すぎるのではないか。どういう選出基準があるのかわからないが、重大な任務に対して理性的に無機質に判断することが出来なくなってしまうのなら、そういう組み合わせは避けるべきな気がする。というか、ウォルターのような高性能なサイボーグが作れるのなら人間の乗組員が必要なのかもちょっと疑問になる。

エイリアンによる捕食が始まったあとも、メンバーはとにかく単独行動を好んでするので順番に死んでいってしまう。学習能力が無いのか。なぜ何も疑えないのか。
ストーリーの進行が全て脚本の都合になっているとして思えないのがどうも没入感を損なってしまって、せっかく映像がいいのに非常にもったいない。結局のところメンバーの不注意や迂闊さだけで進行してしまってるので、人災に人災を重ねる、ある意味ではコメディーのようになってしまっている。

ラストはシリーズ恒例とも言えるが、なかなか絶望的な終わりになった。そうなってるだろうことはすぐにわかったが…。
まあ、時代設定的にはここはまだエイリアンの前日譚で、おそらくもう1作がこのコヴェナントとエイリアンの間に入ってストーリーは完結するのだと思う。それは楽しみにしている。
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