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エイリアン:コヴェナントの酢のレビュー・感想・評価

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)
3.5
『プロメテウス』の内容は完全に忘れたけど、下品な見せ物映画が見てェな〜という期待で今更視聴。真っ白な部屋でピアノを弾くアンドロイド。黄金色に拡張するセイルのデザイン。冒頭から「いかにも」なSF的意匠のビジュアル連発に何故かニヤけてしまう。かと思いきや、いきなり人間を黒焦げにしてみたりする高低差の激しいサービス精神。腹抱えて笑うと同時に限りなく醒めた眼で画面を眺めるような不思議な鑑賞モードになってくる。実際、リドリー・スコットのテンションもそんな感じなのかも。映画の見どころは立派な絵の数珠繋ぎとアホアホ人間たちがなす術もなくおっ死んでいく様で成り立っているし、一番肩入れしているのは創造への妄念に取り憑かれた虚ろなアンドロイドだし。本質的に人間を軽視している。

粒子が乱れる3Dホログラムの記憶が唄う『カントリー・ロード』。笛の音色が木霊する穴蔵の研究室。乾いた詩情を感じる演出がグー。
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