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山の音のakubiのレビュー・感想・評価

山の音(1954年製作の映画)
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あなたの棘のある言葉がずぶずぶとわたしのこころに刺さってゆく。壊死した心を抱えたまま前には進めない。

そんな彼女の決心を、わたしは格好いいとさえおもってしまった。そしてグロテスクなまでの義父の優しさに苛立ちを覚える。
愛 の意味と幸せのカタチ。声を荒らげ愚痴をいう母親の前で佇む小さな娘。丸々と太った幸せそうな赤ん坊。漂うよそよそしい親密さ。

お義父さんの言葉がみにしみて、けれどわたしは両親の前ではきちんと幸せなふりをしようとおもった。最後のほんとうの親孝行。
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