ダヴィッドが自己に目覚めていく物語/主人公クレールが親友の死から立ち直っていく物語の二つの軸が、特殊な友情でもって並行に進むストーリー展開が凄いし、一方でジェンダーの問題が絡んで一筋縄ではいかないところが面白い。
男性女性とか異性愛同性愛とか、まあある程度便宜上の区別は必要かもしれないけど、そういう枠に囚われることなく自由に人を愛し自分を愛せたらいいなと感じた。
ジェンダーも友情/恋愛関係もグラデーションで、その狭間の微妙な感情を的確に表現したアナイス・ドゥムースティエの演技が素晴らしかった。ロマン・デュリスの女装も素敵やった。スタイルよすぎ...。
ごちゃっとした終盤の展開とクレールの妄想(夢)演出の多さを鑑みると完成度は高くないように思うけど、得るものの多い、とても豊かな映画体験になった。