映画狂人

あえかなる部屋 内藤礼と、光たちの映画狂人のレビュー・感想・評価

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中村佑子
🇯🇵『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち(A Room of Her Own: Rei Naito and Light)』
現代美術家、内藤礼の代表作「母型」に集まった5人の女性達の心の解放を捉えた作品。
当初は内藤礼ご本人の製作過程に密着したドキュメントの予定だったらしいが、途中で取材拒否となったため記録と虚構の狭間の様な独自の映像表現へとシフト。
それが不幸中の幸い。
波間に揺蕩う小舟の如く、母胎へと優しく包み込まれてゆく様な不思議な感覚へ鑑賞者を誘う。
女性達へのインタビュー含め、もう少し言葉少なでも良かったが。
けたたましい現代社会の潮流から逸脱して思想の高み、或いは内省的鋭さを以って己の存在理由を突き詰めて行く。
自分自身と向き合う時間、好きな世界観。
「あえか」か弱く、頼りないさま。華奢で弱々しいさま。美しく儚げなさま。
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