Jean

アリスのままでのJeanのレビュー・感想・評価

アリスのままで(2014年製作の映画)
4.0
2017.01.04 英語・日本語視聴

若年性アルツハイマー
それが生きていく上で
どんなに悲しいことか

それは自分が今まで生きてきた証となる
記憶を忘れ、大切な人を忘れ、
自分らしさを少しずつ忘れてしまうから

今までの人生が全て簡単に消しゴムで
消えてしまうような悲しさがあるはずなのに…

でも主人公アリスはそれを辛いことと言わず、
今までもあった喜びと幸福は今もあると
そして"なくす技"に対して
憎しみ、そんな自分を責め悲しむのではなく
闘おうとしている彼女の姿は
心を打つものが私にはあった

小説で読むよりも
すっと私の心に入ってきて
私を色々な感情にさせた

特にアリスがクスリを飲もうとする場面は
彼女が変わりゆく自分を家族が負担に思うと
思い、ああいうことをしたのだと思うと
とても複雑で胸がしめつけられる思いになった

そして私はこの作品を観て
母が私のことを忘れ、
変わっていってしまったらということを
考えずにはいられなかった

きっと私が私らしさを失う以上に
愛する人から忘れられることは
悲しいことだと私は思ってしまう

人は忘れてしまうから
それを大切にしようと思えるのだと思う

私はこの映画を観て、
私のままでいることと
積み重なる記憶を大切にできる気がする

だって、今の私がいるのは
積み重ねた記憶が私の中で思い出として
残っているから、それが私を物語っているのだから
Jean

Jean