このレビューはネタバレを含みます
STILL ALICEってこの映画にぴったりのタイトル。アリスがアリスのままでいるということは不可能だけど、思い出は消えないし、家族の間ではアリスがアリスだという事実は変わらないんだよね。
アリスが映画を通して唯一はっきり泣いて謝ったシーンが、家族性の遺伝するアルツハイマーだとわかってそれを子供達に告白する場面なんだけど、それがすごく胸が痛んだ。アリスは悪くないけど、50%の確率で遺伝して、更に陽性だと100%発現するというのはあまりにも辛い事実だし、それを長女が受け入れたり、次女が知らないままでいようとしたり、それぞれの家族愛の形を垣間見た気がする。この家族の素晴らしいところはみんな真剣にどうすべきか話し合って考えるし、アリスにとっても家族にとってもより良いことはなんなのかを模索しながら進んでいこうとする点だと思う。インテリ一家というのも関係あるのか、、?
若年性アルツハイマーは一時期日本でも取り沙汰されていた病気だけど、実際に自分がそんなことになるなんて誰も思わないし、発現してしまうと大変なんだなと。
もうひとつはアリスがアルツハイマー患者としてスピーチをする場面だけど、あれがこの映画の一番伝えたい部分だったのかなと思った。
あくまでもアリスの半生や生き方にスポットを当てた話。
ジュリアン・ムーアの演技が白々しくなく、本当にアルツハイマー患者に見えて演技力にも感心。