このレビューはネタバレを含みます
主人公のアリスが罹患した病は、遺伝性の若年性アルツハイマー。
コロンビア大学の言語学の権威であった彼女は、語彙が徐々に失われ、そのうち物事を覚えることができなくなり、最後には記憶さえも奪われていく。
一度目を閉じたら、次に目を開けた時には知らない場所にいる恐怖。自分の子供達の名前を思い出せなくなる恐怖。
進行する病と、自分自身が失われていくアリスの苦しみが作中でリアルに描かれる。
作品のタイトルにあるように、「アリスのままで」いるとはどういうことか。
結局アリスは、アリスのままでいられたのだろうか。