ねこまるキャット

アリスのままでのねこまるキャットのレビュー・感想・評価

アリスのままで(2014年製作の映画)
3.7
『記憶』×『崩壊』
若年性アルツハイマーの主人公が記憶を失っていく過程を描いた映画。

見ていてとても辛い気持ちになりますが、一度は見ておくべき作品でした。

大学教授の主人公。長年積み上げてきた知識を生徒に与える立場でありながら、脳細胞が死んでいく恐怖、積み上げてきたものが崩壊していく絶望。

癌なら良かったと嘆き、自分が自分じゃなくなっていき、その感情すらもなくなっていく。

もし自分が主人公の立場だったら、なんて考えるだけで、辛さに押し潰されそうになる。

「50回目のファーストキス」のような作風でも辛いのに、こちらの作品はリアルに描く分、楽しむという事が出来ない。

とにかく辛い。

人生なんて良い思い出作って死んでいくのが目的なのに、生き続ける事でそれが消えていき、家族性で遺伝していくなんて、残酷すぎる。

「私の頭の中の消しゴム」とかは映画として感動して、泣きましたが、こちらの作品は感動というか、本当に辛いです。

辛いって何回言ってんだろ。

自分の中では「火垂るの墓」とか「はだしのゲン」とかと同じ類になるかもしれません。

でも一度は見ておいた方がいいかと思うので、見た事ない方がいたら是非🐈

p.s.辛い。