不穏。
優秀なFBI捜査官のケイトは、メキシコ麻薬カルテルの全滅を目的とした部隊に入り、特別捜査官マットのもとで極秘任務に就く。ケイトは謎めいたコロンビア人のアレハンドロと共に国境付近の捜査を開始するが・・・(あらすじより)
最初はよくある雑魚扱いからのラストは仲間と大活躍する話かと思いきや、その予想は大きく外れ、ただ、ひたすらヤバいということだけがヒシヒシと伝わる展開へ。
お気に入りのドゥニ・ヴィルヌーブ監督による絶望的なまでに美しく、神々しい映像と音楽。台詞に頼らない演出はこの作品でも随所に垣間見れる。
特に序盤に5台の車が隊列を組んでメキシコに乗り込むシーンが圧巻。見知らぬ怖い街に侵入していく緊張感を映像と重低音を効かせたBGMが煽りまくる。
触れずにはいられないキャストは3人。
FBI捜査官ケイトを演じるエミリー・ブラントは、主人公とは言えない演出でもさりげなく爪痕を残している。絶対に信用できない雰囲気の国防総省の特別捜査官マットを演じるジョシュ・ブローリンは、パッと見わからないが私の中ではアベンジャーズのサノス。渋く謎めいてるコロンビア人のアレハンドロを演じるベニチオ・デル・トロは、個人的には麻薬王の方が似合ってると思う。
ケイトの最後の選択は、僅かに残った彼女の信念の意地とも見えたが、それすらも「黙殺」されたと取るべきか・・・やり切れなさが残る。
残念ながら爽快感はゼロ。張りつめた緊張感と非日常を味わいたい方向けです。
観終わってから、邦題が秀逸なことに気付く。(原題がネタバレ気味)