メキシコとアメリカの国境付近の街フアレス。麻薬カルテルの巣窟となっていた現地に女性FBIケイトが捜査に臨む。
フアレスに着いた時から感じる重苦しい緊張感…。ずっと何かに監視されているかのような息苦しさ…。そういったものが画面からひたすらに伝わってくる。
都市部の真ん中で裸の死体を吊るしている光景が恐ろしい。あんな光景が現代に起こるなんて考えられない。そして、渋滞の中、突然起こる銃撃戦。これがメキシコなのか…。
そうした中、主人公ケイトの精神はすり減っていく。喫煙シーンが多くなったり、酒や初対面の男に溺れるシーンがそれを表しているのではないか。
主人公が無力化し、力ある者がその復讐のために力を振るう展開はリアルでまた珍しい。アレハンドロの真の目的が遂行されてからはもはや救いの無い展開となっていた。