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最高の花婿/ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲のqpのレビュー・感想・評価

3.0
 カトリックで白人のヴェルヌイユ家には4人の娘がおり、上の3人がユダヤ系、アラブ系、中国系と結婚しました。一番下のロールも黒人と結婚することになり、という話です。

 映画全体は全く突き抜けた感じはなく、娘が4人とも違う移民と結婚だなんてあり得ない家族だなと思いながらも、欧米などでは現実に起こり得るということで楽しめる作品です。日本では4人の娘が違う国からの移民とそれぞれ結婚するなどいまだに考えられませんが。

 特に、出てくる旦那たちは移民でも不法入国ではなく、社会的ステータスを持ってフランス語を話して生活しています。いわゆる普通の社会人と結婚するというので、経済的な心配がなく、文化の違いだけが取り上げられているので、明るく描かれているように感じます。

 ただし、民族に対しての偏見は日本人でも分かるようにできています。それも白人から一方的ではなく、それぞれの婿のやり取りが面白いです。ジョークのつもりでもジョークにならない場合も多いのが人種差別なので、難しさも感じます。

 クロードとマリーの頭では受け入れようと思っているけど、心の底でカトリックをほしがっている気持がよく伝わります。ただし、マリーがそれぞれの婿用に料理を作ったりするなど、並大抵の努力ではないことをできるのが懐の深さとして表れているのでしょう。

 直接会わずビデオカメラ越しに違う国の人と話すのは疑心暗鬼を生むものだなと感じました。ちょっとした困難をともに乗り越えて、酒などを交わして本音で話すことが重要だなと感じました。

 そういう中で、クロードが他の婿の親とヴェルヌイユ家はどのように折り合いをつけているかが気になりました。クリスマスなども娘家族を独り占めできるのは幸せです。

 色々な外国人と子供が結婚することで、他の国や文化に興味が広がるのはいいことです。ただし、確かに家族となると難しい面がたくさん出てきます。欧米諸国での移民との結婚を親がどう受け止めるか気になりました。特に、植民地支配されていた国の親はひねくれた受け止め方をしている人はまだいるのでしょうかね。
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