まよなか

海難1890のまよなかのレビュー・感想・評価

海難1890(2015年製作の映画)
3.5
地元県民としても、エルトゥールル号の事件はまさに語り継いでいきたい歴史だ。トルコではこの出来事は学校の教科書にも記載があり周知されているらしいが、日本では残念なことにあまり知られていない。この映画は日本とトルコの友好の歴史を再確認できるという意味で、意義のあるものだと思う。
映画としてはよくまとまっていて分かりやすいものだった。
ただ、串本の人々の献身ぶりが少しわざとらしい演技に思えたのだが。実際は当然、映画以上に凄惨な現場で、命を助けようという人々の働きぶりにはもっと血肉が通い、泥臭いものだったのではないだろうか。どこまでリアリティを求めるかとはまた別の問題で、何か白々しさを感じる部分があった。漁民達が助ける理由の根っこのところを深掘りして表現できていたら、もっと説得力があったかもしれない。
ともあれ日本トルコの友好のために後世まで残ってほしい映画である。
まよなか

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