nakashunki

ブルックリンのnakashunkiのレビュー・感想・評価

ブルックリン(2015年製作の映画)
3.8
「つぐない」で一躍脚光を浴びた子役から本格派女優へ脱皮中、という感じの
シアーシャ・ローナン主演。
個人的にはケミブラが音楽を担当した少女アサシンを演じた「ハンナ」が印象的だった人。

前半なんかNHK朝ドラ的な女一代記的な感じなのかと思って見ていたら、
後半はちょっと違った。
後半女社長として成功、とかのリア充展開には簡単にならない。

アイルランド出自の女性がはるばる海を渡って、
何もわからないおぼこい少女から
仕事をしながら恋をして成長していく。
最終的に光り輝く新しい刺激的な世界と、古いしがらみでも温かく懐かしい世界の二者択一の選択を迫られる。
そして主人公は階段を一段登る。

そこらへんはかなりの共感ポイントだった。

アイルランド移民が多いと言われるブルックリンの古くからの住民らにとっては、
かつての自分たちの姿を重ねて感慨深いものがある作品だろうなと想像できる。

アイルランド移民がホームレス化しているほろ苦い現実を描写しつつ、
対称的に洗練されたフィフティーズのファッション髪型の血気盛んな若者たち、
全体的にパステルの色調が目に優しくも心地よい作品でした。

終わり方もびっくりするほどあっさりしていて逆に腑に落ちる、
オスカーノミネートも納得のオススメ作品。
なんか頭の中でポーグスの「ニューヨークの夢」が鳴り響いていたような…
ほろ苦くも心地よい後味。
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