シアーシャ・ローナンに終始魅了されていた。
それくらい彼女の存在感、演技力そして透明感のある凛とした姿…アイルランドの田舎町に住む内気で大人しいエイリシュが新天地アメリカを舞台に成長し、大人の女性へと生まれ変わっていく過程を表現するのに、彼女なくして存在し得ないくらいリアルな映画に昇華されていた。
ストーリーの何れもが全く同じ轍を踏んでいるわけでもないのにでも、そのどれもが誰にでもある共感出来るエピソードで連ねられていて愛おしかった。
新しい場所での生活
慣れない環境
ホームシック(ここは多かれ少なかれだけど)
心から赦せる人の存在、支え
愛する人との出会い 別れ
大切だったあの時、あの人との再会そして過ぎし日が産んだズレ
故郷の温まり 淀み 閉塞感 ノスタルジー
ちやほやされる事の幸せと背徳
渦巻く感情や日々の波に乗りながらエイリシュが辿り着いた答えにまた共感し感動。
テイストはいずれも違うけど女性の成長、ひとり立ち、逞しくなる姿なんかは「プラダを着た悪魔」「風と共に去りぬ」に通ずるものを感じた。
前半は自分の心の琴線に触れまくってひたすら号泣して後半は生きる事の意味を自身に思わず問うた。
素晴らしい映画だった。