世界の中心のような姉、その周辺だった妹、でも本当にみんなの話題に上がるのは妹だった、姉は早くに自分が退場することを知っていたし、世界でたった1人の理解者はちゃんと彼女を見つけたし、聡明さと素直さと正しい判断を彼女は与えられていたし、誰にも流されない強い支流がちゃんと彼女を支えた。彼女はときに中心にいるが故に語る言葉を持たずに煩悶とするけれど、中心に語る言葉はいらず、ただ正しいと思った道を正しく進むだけでいい、それがもたらすものが素晴らしい世界ではないはずがないのだから…。
みたいな感じ。スタートからエンドロールまでの鮮やかなまでの彼女の人生とその周辺が描ききられていて、彼女もまた次の中心に対して一つの物語を繋いでいく、その繰り返しの妙に打たれる作品だった。勝ち取るというよりも与えられる正しき道に観ていて気分がよくなる良作でした。
