みすみ

ゴースト・イン・ザ・シェルのみすみのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

これ単品ならまぁ普通。
アクションも世界観もシナリオもまぁ楽しめる。

他の攻殻機動隊作品と比べるとシナリオがアメリカナイズされてて、押井守や士郎正宗みたいなSF感はない。

原作や映画版、SAC版に対するリスペクトがしっかりあって、攻殻機動隊といえばこれでしょ!みたいなノリで色々やってるから、その点は日本の量産型実写化よりとても優れている点。


以下内容に深入りした評価

元は題名通り映画版の攻殻機動隊だし、シナリオの大元は映画版をなぞってる。
けどこっちの少佐はゴーストより記憶の方がメインになってるから、映画版であった私が本当に私なのか?ってのが無くなってる。だから良くあるストーリー感が出てしまってる。

でもまぁ分かりやすさと大衆向け重視の変更かなとは思う。(押井の話は一般的には難しいからね!)そこはハリウッドだから仕方がない。

ただ、だからこそ「そう囁くのよ。私のゴーストが」って台詞が出せなくなってたのは残念。正直観たかった。

後、ゴーストとシェルの指す意味を固定化しちゃったせいで意味の幅が狭まってたのが残念。
(敢えて言わない事で持たせられる意味もあるんだ、察しろってのは日本人特有なのか?)

でもまぁ全体的に観れば映画版のシナリオを元に、SAC版やらイノセンスやらから色々なファン向け要素を取り込んで、無理なく新しい形にしてたからまぁ楽しめた。

てかシリーズによって作品の雰囲気も何もかも違うのは漫画、映画、SAC、ARISEと通ってりゃ理解出来てるでしょうに…

後はまぁ題名に攻殻機動隊って付いてないから、他の攻殻機動隊作品と比べて色々言うのは違うんかなってのはちょっと思った。


てか、凄い技術の武器って言って、ファンタジーのエネルギーや鉱石(当たったら相手が吹き飛んで死ぬだけの謎の光弾を飛ばす銃とか)に頼りっきりな洋画にはscienceに基づくfictionを0から描ける技量は無いんだから、はなから期待する方が間違ってると思うよ…
みすみ

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