Natsu

ゴースト・イン・ザ・シェルのNatsuのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

「ハリウッドでメジャー化するということ」の模範解答のよう。テーマが簡略化され作家性や情緒は薄れるが、他では到底辿り着けないクオリティで映像化されている。特にビジュアル面での押井版リスペクトは素直に嬉しい。

ゴーストや人格の捉え方から義体の描き方までまるで違うのは、生身の人間の肉体による身体性に加え、これだけ文化的・社会的背景が異なれば当然であり、その辺を考察するのも一興。ただ各シリーズを切り取って繋ぎ合わせただけのパラレルでは新しい攻殻をやる意味がないし、IG石川さんの言う「攻殻機動隊」の持つ強度に耐えられなくなってしまう。その点で今作はSFとしてアップデートされてはいないけれど、前述したような単純な差異が攻殻の世界を広げたと言えなくもない。

まぁスカーレット・ヨハンソンの光学迷彩スーツが見られただけで実写化の価値はあったわけだし。バトーもかなりハマってた。トグサ他9課の面々はそえるだけ。

最たるファンサービスの吹替版は、ノスタルジーが過ぎてさらに今作の違和感が際立ってしまうという悲劇が起きているが、完璧なプロの仕事をありがとうございます…やっぱり少佐には田中敦子さんしかいないんだよ。
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