絶対の客人

ゴースト・イン・ザ・シェルの絶対の客人のレビュー・感想・評価

4.6
「この実写化がハリウッド発で良かった。なぜなら、スカーレット・ヨハンソンを主役にできたから…」by Production I.G石川社長

その言葉の意味がよーく分かった♪
彼女が主役を演じたことで「素子」という存在が最高にドラマチックに演出された♪これはスカーレット・ヨハンソンのビジュアル&演技と脚本の見事な相乗効果だと思う♪

賛否あるだろうが、自分はスッゲー好き!


話題のビートたけしさんに関しては…
まあ、頑張って荒巻を演じてた^^;決してこの荒巻、自分は嫌いじゃない♪ただ、声だけは誰か別の声優さんに演じてもらいたかった感は否めない…


内容は押井攻殻とも神山攻殻とも黄瀬攻殻とも全く違うのに、しっかり【攻殻機動隊】になってる点は素晴らしい♪

むしろ個人的には押井攻殻よりもずっと分かりやすく、黄瀬攻殻よりも攻殻らしさを感じる素晴らしい出来だったと思う!

軸となる「ゴースト」に関しても、さっきも書いたようにスカーレット・ヨハンソンが演じたことでしっかりとドラマチックに演出され、それが少佐の自分探しというこの物語のメインテーマをしっかり支えていた印象♪監督の作品に対する敬意と愛を感じる!


足りないモノがあるとすれば「タチコマ(フチコマ/ロジコマ)」的存在と「電脳インターフェース」

確かに実写化においてタチコマの存在はリアリティーにかける気もするし、登場させなかったのは正解だったと思う♪その代わり、アニメでもお馴染みの多脚戦車は登場!これを実写で観れるのはファンとしては最高の喜び!

ただ電脳インターフェースに関しては、「電脳」を表現する上で一番わかりやすく、尚且つ作品を象徴するファクターだと思っている自分としては、それを実写で観れなかったのはちょっと残念。

実を言えば、自分がこの映画を3Dで観ることにこだわったのは、【攻殻機動隊S.A.C.Solid State Society 3D】を観たときに受けた電脳インターフェースの衝撃が忘れられなかったから…というのが一番デカい。

それが無いのであれば、正直2Dでも十分楽しめるレベルの3D効果でした。その点もちょっと残念だったかも…


クリント・マンセルの音楽に関しては全く違和感なくしっくりハマっていて全く不満はないが、どうしても押井攻殻と神山攻殻より聞き劣りしてしまうのは、何より川井憲次氏と菅野よう子氏の音楽が素晴らしすぎたのが問題なのでそこは大目に見て欲しいところ♪


監督が考案した近未来のアジア(新浜市かもしれないし違うかもしれない)の都市やホログラム広告などの映像面や、オリジナルにオマージュを捧げまくった戦闘シーンなどの演出面に関しても全く不満はナシ!大満足でした♪


そして、もう素晴らしいとしか言いようがない日本語吹き替え!

少佐=田中敦子さん
バトー=大塚明夫さん
トグサ=山寺宏一さん

…はモチロン!クゼの声もアニメ同様に小山力也さんが演じてくれていた♪
…だけじゃなく!たった一言だけにも関わらず、イシカワの声も仲野裕さんが演じてくれていたのは、個人的にクゼ以上に嬉しかったかも!…ただ役者は明らかに日本人じゃなかったが^^;

これこそ最高のファンサービス!


アニメ作品とは全く違う内容の本作…少佐の出生の秘密に関しても全然違う描き方がされているが、それでイイ!その点に不満を言う人はきっと本当に【攻殻機動隊】が好きじゃないんだと思う。

なぜなら、脳へのハッキングによって記憶の上書きが可能になったこの時代…何が真実なのか、どこに真実があるのか…もしかしたらアニメ側が上書きされた記憶で、実写側が真実の記憶なのかもしれない。いや、どちらも違うのかも…

それは誰にもわからない…それが、あらゆる描き方を可能にするこの作品の持つ長所だということを理解できていないのだから♪


多少不満点は書いたが、そんなのはホントに小さなバグでしかなく、電脳の機能には何ら影響を及ぼさない程度。記憶の上書きで簡単に除去できるレベル♪

正直言うと内容に関しては、観る前まであまり期待してはいなかった^^;申し訳ない!まさかここまで書き連ねさせるほど素晴らしいものだったとは!

ファンとして大満足!