短く、舞台も人も少ない映画だったけどとても心にずん…とくるものを残す1本だった。
敵同士の負傷兵2人アハメドと二力を介抱する、イヴォとその友人マルゴス。
口を開けば挑発的な言葉、殺す。テーブルを囲んでいるシーンは何も起きるな何も起きるなとひたすら緊張が続く。
ハッピーエンドに持っていけるような雰囲気が全然感じられないだけに、ついそう願ってしまう。
イヴォとマルゴスと生活する中で、相手を憎しい敵としか認識していない2人が次第にどこか相手を尊重するような言動が見られはじめる。
二力が銃を打ったのが敵だから、ではなくてアハメドを撃たせないため、だったあのシーンで小さいながらも絆が芽生えてきていたことがわかる。
イヴォの息子を殺した人種の男をどうしてその横に埋めるんだ、という問いかけに対する「違いはない」という一言にイヴォが乗り越えた息子の死の重さや人間性が詰まっててとてもずん、とした。
劇中流れている弦楽器の曲が印象的。