Fyohko

みかんの丘のFyohkoのネタバレレビュー・内容・結末

みかんの丘(2013年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


『みかんの丘』

2013年公開のロシア/グルジア
        エストニア映画


ロシアに隣接する
ジョージア(旧グルジア)で
1989年から起きている
アブハジア紛争を背景に

アブハジア自治共和国の
エストニア人集落で

みかん栽培をしているマルゴスと
みかん箱を作っているイヴォの
2人の老人が

敵対する負傷兵を
助けたコトで
トラブルに巻き込まれていく


という話


登場人物が
青年から老人で
女性が一人も登場しないという

なかなか珍しい設定


紛争から逃れるために
エストニア人の多くは
故郷に帰国し

集落に残っているのは
イヴォとマルゴスの2人

負傷した
チェチェン人とジョージア人を
イヴォの家で介抱するも

敵対する2人は
隙あらば殺し合おうとする

そんな2人を
言葉少なに諌めるイヴォ

お互いの素性を明かしはじめ
共同生活をしていくうちに

何のために戦っているのか
分からなくなってくる
2人の心の動きには

非常に興味深いモノがある


やっと答えが
見つかりそうになった矢先

武装兵がやってきて
銃撃戦となるコトで

反射的に戦闘モードに
切り替わっていくという


動物的本能と
人間の愚かさが
一瞬でリンクする姿を
見せつけられると

長い歳月をかけて
築いてきた

理性的人間社会の
脆さと危うさを
感じさせられる


社会的規範や思想の上に
個人の人格形成がなされ

更に、個人的な情念が
加えられたら

地球上から
戦争が無くなるコトなど
絶対にあり得ないと

改めて
絶望を感じた






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