きぬきぬ

ロング・トレイル!のきぬきぬのレビュー・感想・評価

ロング・トレイル!(2015年製作の映画)
3.4
ロバート・レッドフォードとニック・ノルティの爺様二人が、北米の自然のトレイル道踏破に挑むのだけど、もう無理の出来ない年齢なのと、長年交流を絶っていたかつての若気の至り仲間ということが利いてる。
平穏過ぎる日々の中、書けなくなっていた紀行作家の主人公が好奇心と冒険心を蘇らせ、何カ月にも渡る自然歩道踏歩の旅に出るのだけど、愛妻が心配して一人では行かせられないと言ったから同行者を探すと、歳を経て、過去のわだかまりも薄れ欠けていたかつての友が名乗りを上げてやって来る。
長年会わない間に擦れ違って来たお互いの人生と昔話を織り込みつつ、若者に負けじと歩く二人の先にある、彼らが目にする自然の風景もとても良い。ニック・ノルティの爺様にすれば、レッドフォード爺様は最後に一緒に居て欲しい大切な友だちなんだろうね。
爺様二人が自然を、森を慣れないながらも歩く中、さりげなく語られていく彼らの会話で、彼らの背景や想いが綴られていく。ユーモラスさもあるから、心地良く見守れる。
老いた身体にはきつい旅だったかもしれないが、友がお互いを改めて知り、また繋がる。そして大切な者に気づく。旅をするには体力的にきつかったにしても、老いを感じてもまだ間に合うことを、まだ出来る事を知る、せつなさがあった。
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