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黒衣の刺客のAixのレビュー・感想・評価

黒衣の刺客(2015年製作の映画)
3.6
カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したホウシャオシェンの作品。かつての許嫁の暗殺を命に受けた刺客の話。

ホウシャオシェンの歴史ドラマはフラワーズオブシャンハイだけ見たことがありましたが、あの作品に劣らず今作も映像がとても美しかったです。撮影に始まり、ライティング、衣装、セット、ロケーション、小道具など、ビジュアル面は何もかもが一級品でした。ホウシャオシェンと撮影監督のリービンビンの手腕が健在であることを見せつけていたと思います。ただその一方で、今作の肝心のストーリーはそこまでキレがなかったです。脚本がかなりごちゃごちゃしていて、分かりにくい上に感情移入もし辛く、中国の歴史に興味がないと置いていかれるかもしれません。アクションもワイヤーとかSEの使い方は悪くなかったんだけど、だからと言って特別格好良いわけでもなかった気がします。

ホウシャオシェンは大好きな監督の一人ですが、今作は初めて彼の作品を見る人にはあまりオススメ出来ない映画です。映像は本当に美しかったし、撮影、美術、中国の歴史に興味があるか、ホウシャオシェンのファンだったら見ても良いと思います。
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