めしいらず

クーパー家の晩餐会のめしいらずのレビュー・感想・評価

クーパー家の晩餐会(2015年製作の映画)
2.7
失っていくものへの哀惜。若さ。時間。家族。時に愛もそうだと思ってしまう。なだらかな人生なんてない。家族の形は自然に変わっていく。でも思い出はいつでも変わらずに美しい。欠点を抱えたこの家族それぞれの秘密は、家族から失望されたくないという屈託の表れ。家族にだからこそ隠しておきたいことだってある。身内への不満は尽きぬものだ。それでも家族同士はどんな秘密も気づくし結局は受け入れてくれる。離れていた家族がひととき揃ってイブの夜を過ごし、クリスマスの朝を共に迎える幸福。そんな時間を積み重ねて家族はより家族になっていく。割と有り体な映画ではあるのだけれど時にハッとする箴言が散りばめられていたのが印象的。「私はいつも人の愛情を計って同じ分量だけ返そうとする」なんて思い切り身につまされてしまった。
めしいらず

めしいらず