Taketo

スター・ウォーズ/最後のジェダイのTaketoのレビュー・感想・評価

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スターウォーズの王道な展開を見せつつ、それを裏切ったりするのには意外性を感じました。それはあらゆる王道的な展開をするハリウッドに背を向ける行為だと思います。例えばフィン達が船に潜入してトラッカーを止めようとする作戦が失敗したり、ベネチオ・デルトロがただ裏切って終わったり、ローラダンが死んだりするところです。また、「スターウォーズ」はエピソードごとで平気で何年も経っているのがお決まりですが「フォースの覚醒」と「最後のジェダイ」の間では時間が空いていなかったのもあげられるかなと思います。話も明確には三段構成にはなっておらず脚本に挑戦を感じました。
しかし、正直微妙でした。 フィンとレイとポーとカイロ・レンの4つの視点があるということもあり、話の立ち上がりが重たく、尺も長いと感じました。詰め込みすぎて盛りだくさんだったのもイマイチ。
予想のできない展開をしてはいるのですが、どことなくなんでもありの感じもしてしまい、スッキリしなかったです。宇宙船から外に吹き飛ばされたレイアが戻ってくる展開や、ラストのルークの展開などがそれです。また、ギャグっぽい演出がスベっているのも印象的でした。

キャラクターにも納得がいかない点は多かったです。もともとただのトルーパーであったフィンが何故あんなに強いのか、ファズマの微妙すぎる存在。なにより「フォースの覚醒」から言われていますがカイロ・レンが弱すぎることです。強い闇には強い光が出てくる。故に完璧な闇に落ちるのは難しい。この考え凄くいいと思うんすけど、その所為で一向にカイロ・レンは強くならない。感情をコントロール出来ない荒々しさが強さになっていたりすれば魅力的ですがそんなこともないですし、考えも浅はかです。にもかかわらず最高指導者のスノークはそのカイロ・レンにやられたりするので、スノークはクソ弱かったのか、もしくはカイロ・レンが成長したのかそう言ったところがフワフワしていて納得いかなかったです。
しかし、このカイロ・レンというキャラクターは可哀想だとも思うわけです。 それは「スターウォーズ」というストーリーに振り回されているからです。「フォースの覚醒」ではライトセーバーでのバトルシーンを作る必要があるので、無理やりレイと闘わされ弱いという印象がつき、今回はルークと戦うという最高の展開のために、弱いだけでなく馬鹿という印象までをつけられます。結局ダースベイダーやダースモールにあたる圧倒的なボスが不在なのが物足りなさや、ストーリーに歪みを与えてるいるのかもしれないです。それは今っぽいといえば今っぽい設定なのかもしれないですが。

反乱軍の減り方や、ラストの終わり方を考えると次作はそれなりに、時間が経っていたりするのかなと思ったりしますが、どうなるのか楽しみです。
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