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スター・ウォーズ/最後のジェダイのhisのネタバレレビュー・内容・結末

2.8

このレビューはネタバレを含みます

これまでのSWの定石を全て覆した1作。

時間軸も短く、メインストーリーの場所も絞り込まれ、
壮大なスペースオペラとは言いがたい、SF映画になった。

前作で新キャラを生み出し、それらの出自や正体など大いに期待させる内容だったが、それらは平凡な何かだったという想像を悪い意味で覆し、
またSWのこれまでの選ばれた血筋や歴史のある文化が葛藤を繰り返しながらも世界を救うという物語を今作で終わらせ、全く新しい物語に切り替えたのだ。

しかしそれを2作目でやる必要があったのか?
むしろ一作目からその予兆はあったのに、またそれをやる必要があったのか?
結果的に1作目の謎をだいたい解明し、だいたいの伏線を終わらせただけでしかなかった。

1作目でそれらを収束し、新しい物語をここで打ち立ててもよかったのではないか?

また伝説の存在をチンケなものにしてしまい、似付かわしくない物語を進行したのもまた個人的には納得いかない。

また絶望的なのが、SF映画に対する質の低さ。
冒頭の艦隊戦からおかしく、重力のない宇宙で爆弾を投下するというシークエンス。
いや無重力じゃないのか?スラスターがあるわけもなく、普通に直下に投下する。しかも格納庫から落とすという、道程キャラクターが落下して体を痛めるなど、無重力は守って欲しかった。

レイア姫の扱いもあり得なかった。あんな苦笑いなこと何故やったし、
しかもここまでやるとルークよりもやばい神格レベルじゃないか?

イベント一つ一つでSWの定石をひっくり返し見る人に衝撃を与えるのだが、その定石をひっくり返すプロットにしっかりとした肉付けができておらず、脚本の出来が非常に悪かったと思う。

また新キャラクターのローズも魅力がない。
華のない整備員でキャラクターとして等身大にし、ヒーローは一般人からもなれるという現代社会に対する提言なのかもしれないが、
この映画に私はそれを求めていない。

前作で好きになったキャラクターに濃い絡みや新たな任務をこなすが、
それに対してのフィンの成長がイマイチ描き切れてない。
そこに出てくるDJもキャラがしっかりと立っておらず、
新キャラが出てくるけど前作のキャラクター程の魅力もない。
キャラに役割だけ任して、キャラクターとしての中身がイマイチ形成されない、だから好きになれない。。

ポーに関しては、ハンソロ的な2枚目の立ち位置で89の兄貴分を7では想像させてくれたが、何故か8では拗らせてしまい、
協調性の無いキャラに。
その反乱軍の作戦や指揮系統が冒頭からおかしいのはいうまでも無いが。

マーベル作品ではそういったことがうまくいっているのに、同じディズニー傘下なのにそれができてなかったのは非常に意外だ。

ここまで伝説の映画として君臨しているにもかかわらず、
ヒーローの伝説の物語から、市井の人たちがヒーローになって世界に携わっていくという違う物語に切り替えるべく、
殲滅戦からの逃走作戦のみを描いた本作はあまりにもスペースオペラとしてこじんまりとしており、2年待った映画というより、海外ドラマの一片のような前後編の後編でしかなく、非常に残念だった。

カイロレンは前作から応援しており、その進化が今作で描かれ、
俳優のアダム・ドライバーの演技の幅もこれまでの作品から感じられ非常によかった。
だがそれにまつわるスノークの扱いがあまりにもひどく、
ハックス将軍の扱いもまたただのコメディアンになってしまい、
SWとしての風格は今作で一気に崩壊してしまった。

またここから次回作でのフィナーレがあるが、
ここまでスカスカのドラマにどうつなげるのか?
いっそ10年後とかで成長したキャラ達の決戦は見たいが、
だらだらとした物語としては見たくない。

しかもその後にもさらに3部作が作られることが決定している。

とりあえず今作を鑑賞してSWはリブートしたんだなとそう思わざる追えない。
まぁ次の若い世代が楽しんでくれればいいや。
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