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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明けのkentaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

見どころ:アダムドライバー



宇宙をまたにかけた壮大ラブストーリーという感じでにやにやしてしまう。

レイをどこまででも追いかけて、現れるカイロレン(ベン)はもはやストーカー。レイのことが好きで好きでたまらない。あまりに一生懸命過ぎて笑いそうになる。おまけに俺と君は一対なんていってしまうから、元は1つだった人間は2つに分けられたせいで片割れを探し求め続けさまようという物語を思い浮かべて、プラトンじゃないかと言いたくなる。レイもレイでビビッと来てるし。文字通り時空も超えてしまう恋。そして何度も激しく闘い合うほどの情熱。

さあ、そんなベン君は分かりやすすぎるほどにエディプスコンプレックス。パパを殺して、ママと結びつきたい。事実、前作で父を殺す。こりずに今回も皇帝=「父」を殺そうとして剣を振り回す。「僕は全能!!!!」。剣とはちんこだ。でもかわいそうなことにママには会えない。なぜか?それが叶わないことが怖いからだ。(ママに「ベン」と言われた時の動揺!!)
そういえば『俺たちに明日はない』の主人公も銃を振り回してたけど、EDが治ったら大人しくなった。あれもちんこだ。

さて、そんなベン君であるが一度振られる。振られるだけでなく、刺される。(またもや激しすぎる恋)「あの時あなた手を握りたかったけど、そのあなたの手ではないわ」。そのあなたとは葛藤を否定している「ベン」。彼は「僕はダーク」と思いこんでいるが、善い面もある。本来はその絶え間ない相克を心に抱えているにも関わらず、彼は直視しすることができない。これが大きな間違いだった。ダークサイドとフォースは不可分だ。一方、レイは自分の葛藤を直視している。彼女は矛盾し葛藤している自分に向き合う強さを持った人だ。だがそんな彼女に対して「僕は本当の君を知ってる」つまり本当の君はダークサイドなんて言ってしまったのは2つ目の間違い。(本当のレイなんてものがあるとするなら、常に葛藤しつづける捉えようのない姿だろう。)まあ、結局間違いに気がつくのだけど。失恋、お母さんの死、お父さんとの会話を経て、ベン君の反抗期は終了。感動的なシーン。

続いて現れるのが、倒錯したおじいちゃん。なぜなら孫娘に「私を殺して」なんて頼むのだから。マゾヒズムはわかるが、さすがに孫に頼むなよと思ってしまう。このおじいちゃんは実は、実体がないんだなと思ってしまう。機械に生かされ、皇帝という肩書に生かされている、死人。そして考えが実に古臭く、「家!血統!」という感じ。皇帝はまさにそのような死につつある考えの象徴である。しかし、生まれ、家族、血筋は物語の大事な要素であって、レイもベンもそれに悩む。なんだかんだ、そういう古いしがらみが消えたように見える現代でも、人はまだ苦しめられているのかもしれない。その我々の苦悩がある故に、みんなこの映画に共感して楽しむことができるのかもしれない。

最後には、彼女は決断をする。終わらない葛藤だけど、みんなの声に応えて決断する。「私はフォース」。そうして彼女は、女神になる。立ち上がる民衆!連帯!そしてそれを導く自由という女神!!あたかもフランス革命。C’est la lutte finale!!!


2人の恋にもハッピーエンドが!!と思うがなんとも切ない結果に。しかし不思議と悲しくない。

物語を通して「名前」の役割は印象的だった。が、疲れたからここで終えよう。最後になぜレイはスカイウォーターと名乗ったのだろうか。これはおもしろい。


追記
特に思想もないけどカイロレンが負けるところが見たい!!ってだけでスパイしてた将軍が人間らしくて好き。

フォースはコーラのようなものか?
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