福福吉吉

国際市場で逢いましょうの福福吉吉のレビュー・感想・評価

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)
4.0
◆あらすじ◆
朝鮮戦争時、ユン・ドクスは父親と妹・マクスンと離れ離れになる。ドクスは母と幼い弟妹とともに釜山の国際市場の叔母の露店「コップンの家」に身を寄せる。ドクスは変わりゆく時代の中で一家を支えるために他国での厳しい仕事をこなして資金を集めながら父や妹との再会を信じて「コップンの家」を守っていく。

◆感想◆
幼い頃に父に託され、家族のために働き、生き抜いた男の姿を描いた作品であり、主人公ドクス(ファン・ジョンミン)が自分を二の次に家族のために危険な仕事をこなす姿はとても逞しく、それでいて尊敬できるものがありました。

ストーリーとして現在の老いたドクスの話とそれまでに至ったドクスの生涯の話を交互に描いており、現在の頑固じいさんなドクスがそれまでに経験した苦労を観ていくうちにとても尊敬できる人物に見えてきました。

ストーリー全体として極めて明るい雰囲気で進んでおり、シリアスな部分もありながら、必要以上に暗さや重さを感じさせないようバランスが取れていてとても観やすい作品になっていました。

朝鮮戦争時に父と妹のマクスンと離れ離れになり、幼くして家長となったときからドクスの戦いは始まっており、家計や弟妹の学業の資金などを得るため、西ドイツの鉱山に働きに行ったり、ベトナム戦争の最中にベトナムへ仕事に行ったりと苦難の連続になります。それでもドクスはその苦労を家族に感じさせず、笑顔で家族を支えます。本当に凄いとしか言いようが無かったです。

また、父や妹を探してテレビ番組に出演するなど、本作では韓国の歴史にしっかり沿った時代の色をストーリーの中でしっかり出していて、興味深く観ることができました。

激動の時代を駆け抜けたドクスの生き様には心を揺れ動かされるものがあり、観ていて素晴らしい作品だと思いました。

鑑賞日:2024年1月19日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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