Kiki

リトル・ボーイ 小さなボクと戦争のKikiのレビュー・感想・評価

4.2
憎むのは敵ではなく《戦争》

メキシコ出身の新鋭監督が8歳の少年ペッパー"リトル・ボーイ"の姿を通して描くメッセージ
子どもの目を通して体感する差別社会、戦争がもたらした困難、苦しみを背負う人々にとって本当に大切なものは何か……

『ノーマン・ロックウェルの絵の世界』
西海岸の港町の色彩豊かなレトロ感にほっこり


大好きな父親を戦場から呼び戻す為にカトリックの司祭から授かったリストの課題に挑戦していく少年
「心に憎しみがあると願いは叶わない」という司祭の言葉…
「地面を向くな、空を見上げろ」という日系人ハシモトの言葉…(上を向いて歩こう♪がよぎった)
ペッパー少年の背中を押す数々の言葉が心に沁みます

神様のことを「空の友達」と言っていたハシモトの台詞も痺れました!台詞なのか、戸田奈津子さんの翻訳の腕なのか?どちらにしろ優しさが溢れる言葉を沢山感じました

奇跡を信じて、困難を乗り越え、必死で海の向こうの日本に念を送るペッパー少年の後ろ姿を笑う人はいないでしょう…

いろんな立場で、嫌な気分になる描写もあるかもしれませんが…原子爆弾「リトル・ボーイ」という戦争がもたらした負の産物を もはや知らない世代が、どんな形でもいい語り継ぐことも大切!
子どもに見せたい映画、たぶん学校の教材になる良作です


クロエちゃん似のペッパー役、ジェイコブ君を抜擢した監督、大成功です!兄も‼︎ この兄弟に度々 泣かされました(兄弟もの好みなので)
エミリー・ワトソン、トム・ウィルキンソンと安定感抜群
そして日系人ハシモト役ケイリー=ヒロユキ・タガワさん物静かに耐え忍ぶ演技とてもいいキャラクターでした
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