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クーデターのevergla00のネタバレレビュー・内容・結末

クーデター(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【窮鼠猫を噛む】

東南アジアでの水道事業のため、アメリカから赴任してきたDwyer一家。しかし到着の数時間後にクーデターが起きてしまう。
テレビは付かず、会社からの連絡もなく、異常に気付いたのは翌日暴動を目の当たりにしてからのこと。

ホテルに暴徒が押し寄せてくる辺りは”Hotel Mumbai”のようでした。逃げなければ殺されるだけだと分かっているつもりでも、足がすくんで思うように動けない。平和ボケしていた民間人ならきっとそんなものだろうと、動転してうろたえるだけの姿は現実的に感じました。幼い娘2人が当然逃亡の負担になってしまうのですが、一方で彼女達の存在が、地元民の同情と助けを得られやすくしていました。

非現実的なのは、Dwyer家が隣接するビルへと逃げる際、わざわざ隣で待っているおじさん…!普通なら我先にと逃げるでしょ😅!
それと何と言っても007が命懸けでタイミング良く助けに来てくれること!Hammondの過去や娘のことなどを、もう少し知りたかったです。

次から次へと他国を貪る強国
「共喰いする鶏」
飢えたら何でも食べる人間
この世は弱肉強食。

弱い者が、家族を守るために、生き抜くためには、決死の覚悟で立ち向かわなければならない。
喰うか、喰われるか。
殺すか、殺されるか。
文字通り、着の身着のままの逃亡劇にはハラハラしました。一家にとっては、ここで死んでも悔いなしと思えるほど、人生で最も大切なものは家族だと再認識する出来事になりました。こんなにもベトナムが素敵に見えるなんて。
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