きざし

奇跡のひと マリーとマルグリットのきざしのレビュー・感想・評価

4.2
ちょいと心の洗濯をしたくてチョイスした作品…!(*´ω`*)

この作品、実話を元にした話なんですね~!

19世紀のフランスにおいて、
見えない、聞こえない、話せないの
三重苦を、生まれながらに持っている少女マリー。

ローティーンくらいの年頃だと思われますが、
家も貧しく、全く教育を受けてきていない

髪を梳かすのも、靴をはくのも嫌がり、いつもボサボサの泥まみれ・・・

裸足で大暴れして、奇声を発する彼女の様子は、

まさにオオカミに育てられた少女そのもの…!!


そんな彼女が、父親に連れられて聾唖学校に入れられそうになるが、

耳だけでなく、目も不自由で野生動物の様な彼女は手に負えないと、断られます・・・


しかし、マリーの生命力に深く感銘を受けたこの学校で働くマルグリットは、
この子の教育に全身全霊を尽くそうと引き受けるが…!?


みなさん…
想像してみて下さい。

もし、自分がうまれつき
目も見えず、
耳も聞こえず、
自分の意志を周りに伝える術をしらなかったとしたら・・・?

マリーは、そんな境遇の中で生きてきた。
10年以上もの間…
マリーという体の牢屋に繋がれた彼女の意思、心、、、

周りからは見放され、正常な頭脳があるのかさえも、分からない状態。

そんな彼女に手を差し伸べたのは、
赤の他人である、マルグリットでした…

これには理由があり、実は彼女は余命は限られていたのです。

神の元に行く前に、意義のあることを成し遂げたい…!!

そんな思いが、彼女を必死にさせたのでしょう。

まるで、動物のようなけがれを知らない純真無垢な魂を持ったマリー。

しかし、いくらマルグリットが必死に教えようとしても、何にも分からないマリーにとっては恐怖でしかない!!

身なりをととのえ、キチンと座り、フォークとナイフを持って食事をさせることの大変さ…!!!

いっつも大暴れな、マリーの相手をするマルグリットの大変さは、想像を絶します…!!!

しかも、何カ月経っても変化が見られないとなると…(>_< )

しかしある時を境に、少しずつできるようなっていく様は、驚きです!

愛する両親に1年ぶりの再会を果たすシーンは、涙なしでは見られません…!!!

でも、まだ彼女は言葉を知らず、体という檻の中にいました。


そんな彼女が、ものには名前があるという事を理解した時の、素晴らしさといったら・・・!!!!


ほんとうに、鳥肌が総立ちしました…♡
彼女は、ちゃんと自分で考える力を持っていて、
湧き上がる泉のごとく、貪欲に言葉を貪る!

ラスト、明るいマリーの笑顔と、力強い手話をマルグリットに送るシーンでの

彼女の素晴らしい人間性と、成長ぶりに胸がいっぱいになりました…。


これを奇跡と呼ばずに、なんと言いましょう!?

人生は、捨てたもんじゃない。

マリーに起きた奇跡と、マルグリットに起きたこと。

人生には、変えられる事と、
変えられない事があること。

そして、マリーはとても聡明で、
その違いを理解していた事・・・



諦めたら、そこで試合終了だよ、
という、安西先生の言葉を思い出しちゃいました!

頑張ればいつかは成功するんだ!!
決して諦めなければ…


そんな奇跡を垣間見た作品でした。
きざし

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