ま

トレジャーハンター・クミコのまのレビュー・感想・評価

3.1
これまた変わった映画。主人公クミコ(菊地凛子)はコーエン監督のかの名作映画「ファーゴ」に大変感銘を受けた様で、映画内で雪の中に大金を埋める風景を何度も見て、その場所に行けば必ず大金が手に入ると本気で信じている。

まず別映画の場面が登場し、それに影響を受け行動するという構成が独特。しかもそれがギャグではなく主人公が本気でその行動に突き進む。アレは映画の話だ、フィクションだと言われても全く聞く耳を持たない。映画内のそのシーンだけ何度も見る。

やがて彼女は生活の全て、家族・交友関係、仕事など全て犠牲にして本当に一人アメリカへ渡る…

ここまで共感できない主人公も珍しい。
菊地凛子がスーパーコミュ障の女性を演じているのだが、真面目に働かない、金は払わない、ペットのウサギ(可愛い)を捨てる、様々なことからバックレ、親切にしてくれた人の善意を無視と、見ていてかなりイラつきます。

しかし何かに突き動かされたかの様にひたすらファーゴの場所へ行こうとする行動力だけは凄い。

終始暗い雰囲気でときおり鳴る暗めのSEはホラーの様。菊地凛子主演の映画ってあまり見たことなかったけど、なかなかぶっ壊れた演技が素晴らしかったです。
ま