kazマックスグローバーレッド

エンドレス・ポエトリーのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)
3.7
『リアリティーのダンス』の続編で故郷トコピージャからサンティアゴへ新天地を目指すホドロフスキー親子。「詩人なんてオカマだ、お前は医者になるんだ!」と言う父に反撥して家を出たアレハンドロがやがて青年となり様々な芸術家と出会う。

店舗が並ぶ背景や機関車などを実際の町にセットとして配置し、黒子も使う演出は「この世は舞台、人はみな役者だ」というシェイクスピアの言葉をホドロフスキー流に自身の青年期と重ねて映像化しているんだろうか。昔、ポール牧が言っていた「人生は舞台、あなたは主役」ってのはまさにこういう事でしょう。

「男子たるもの曲がることは許されない!」の精神なのかはさて置き、男塾名物「直進行軍」を青年ホドロフスキーが実行していたのは笑った。奇才ホドロフスキーは少年ジャンプ的思考も持ってるんだ。


前作の爆乳聖水オペラ母ちゃんは今作では詩人ステラ役も演じて一人二役。赤髪にドクロの背骨ペイントとか鮮やかだけど前作ほどのインパクトがなかったのは個人的に少し残念。あと男性器がボカシ無しでモロ出しなのは芸術作品だからってことなのかな。

父親役は前作に続きブロンティス・ホドロフスキー。青年アレハンドロ役もホドロフスキーの息子が演じてるから兄弟で親子役なんだ。父との決別シーンはちょっとほろ苦かった。別れ際にあの時こうしてたらという父への思いにホドロフスキーの優しさを感じました。