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太陽のいのネタバレレビュー・内容・結末

太陽(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

演劇的な言葉遣いや演出、視点で作られている。
克哉が村民に襲われている場面での長回し、部屋、土間、庭の三つの場所を見せていたシーンが特に演劇的だと感じた。他のシーンでも、舞台での舞台装置と演出はどうだったのだろうと考えながら見ていた。


貧しくて教育も十分に受けられない村を変える手段に、克哉は人を殺した。だが今作中では人を殺す罪という個人の罪よりも、キュリオがノクス殺したという集団へ罪が向けられている。道徳や法もかなり変容していて、今の自分の価値観から今作中に起きたものごとの善悪ははかれない。そのため、彼らの言葉や態度、関係性などのひとつひとつが、か細くとも穏やかでも暴力的だった。

ディストピア系SFを日本の田舎/都会で描くと息苦しさや生き辛さがリアルに効きすぎていて、見た後に具合が悪くなるくらいに上手くできてる。
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